Vウオー

日本におけるインターネットの歴史は30年ほどと言われているが、一部の好事家の遊び場であった昔と違って今は多くの人がインターネットに"いる"。
情報を得るだけではなく一個人が自分の趣味や生活の情報、時には自分が制作したコンテンツを発信して見ず知らずの人と自由に交流をもったりしている。

テキストサイトの時代からブログの流行期を経てSNSの登場に至る流れを見ても分かるように、ネットはより個人が情報発信をしやすい形を求めて進化してきた。
同時に、かつては文字コミュニケーションが中心で一枚の画像を表示するのに何時間もかかっていたような時代もあったが、現在は誰でも動画を自由にアップロードでき、好きなだけ視聴ができる時代になった。

 

そしてYoutubeの天下がある。

で、動画サイトの次に来るのがバーチャル系のサービスなんだと思うけど、そっち方面のサービス・技術の開発がこれまでどのような流れで進んできて今どこまで来ているのかとかは全く知らない。


ただ、最近肌で感じるのは「コミュニケーションの面白さ」を核としたコンテンツが今後これまで以上に世を席巻して幅を利かせていくんだろうなということである。

一つは個人間の交流というか「自分対他人のコミュニケーション」の場を提供するプラットフォームとか色々。

もう一つが「他対他」、ざっくり言うと関係性を売りにするコンテンツだ。
特にここ数年で各種オタク界隈では"尊い"というワードが広く深く浸透し、「推しカプ」とか「推しと推しの関係性」を重要視する考え方が流行している。この考え方は漫画、アニメ、アイドルなどあらゆるジャンルに適用されてきた。そこに新たなコンテンツとして登場したVtuberも今や”てぇてぇ”関係性を一つの売りとして打ち出している。


(そういや最近Twitterでよく見る有象無象のラブコメ漫画もストーリーというより関係性を売りにしているもの多いな)


キャラがいて関係性がある。人間がいて関係性がある。恋愛、友情、その他さまざまなシチュエーションにおける"理想的なコミュニケーション"、多くの人が憧れたり"尊い"と言いたくなるような関係性、を提示することが今最も求められているコンテンツなんだろう。


大手Vtuberグループが人数を増やしまくる理由の一つもそういうトレンドを踏まえてのことなんかも知れない。

 

一方に自分のコミュニケーションがあって、もう一方にプロが打ち出すコンテンツとしての"質の高い"コミュニケーションがある。

(相対的に自虐的なコミュニケーションは受け入れられなくなっているしなんか見えないところで苦しんでる人もいそうだなと思う。これは独り言です)

 

いまだかつてないほどコミュニケーションのコンテンツ化が進んでいるし今後はもっと加速していく。

 

この辺にVtuberにインターネット臭さをあまり感じない理由もあるんだろうな。

尖った面白より調和と持続的なコンテンツ性を重視する姿勢というか。

 

今後バーチャル関連の技術が進んだら、ウェブ上における人対人のコミュニケーションの幅はまた広がるんだろう。それこそ一つの村を作れるわけですし。セカンドライフみたいな。

 

そこまで先の話じゃなくても単純に5G来るだけでもかなり変わりそうではある。ラグ無くなれば掛け合いの質も上がるし、かつて失敗したオンラインひな壇番組もできるようになるしな。

 

雑に書き散らしてしまってどうまとめればいいか分からなくなってしまいましたが、要するに今勢いのあるVtuberのキモってニコニコから連綿と続く配信者文化(トーク力ある人たち)に「箱」とか「アイドル」という枠組みを与えて今流行りの「関係性コンテンツ」としてパッケージしたところだと思うんです。

 

キャラクターのガワをかます目的って何なのか、がずっと気になっていたんですよ。分かんなくて。「視聴者が二次元のキャラクターとコミュニケーションをとっている感覚を味わえる」とか「顔出し人間よりキャラクターに親しみを感じるオタク層を取り込むため」とか、そういう意見は初期ならともかく今の人気を全然説明できないよなと思っていたんですが、やっとしっくり来た感じです。よかったよかった。

 

自分がアイドルに興味があり「メンバー間の仲がいいことが伝わってくるグループ」が最近の根強いトレンドであることを何年も前から知っていたのに、Vが同じことをしていることに気づくのが遅れたことはあまりにも不覚ですが、まあそんなもんだろ。

 

もちろん変化の速い業界だし、「関係性コンテンツ」としての側面だけでなく様々な魅力が埋まってるジャンルだと思うので今後も油断せずに見ていきたいなと思います。まる。